アベンジャーズ エンドゲームがつまらないというレビュー

アベンジャーズ・エンドゲームを観た。

 

率直に言ってつまらない上に、ガバガバでツッコミどころ満載。

 

正直、何故そんなに絶賛されているのか全く理解出来ない。

逆張りしているつもりではなく、純粋に映画としてつまらないし脚本がガバガバすぎると感じた。僕は別に流行り物が嫌いというわけではなく、マッド・マックス怒りのデス・ロードやバーフバリを心から愛している。

 

こういうことを言うと「お前はマーベル作品をこれまでろくに観たことがないんだろう!」と怒られると思うので、僕がこれまでに視聴した作品は書いておく。*1

また、何なら僕はアイアンマンが大好きだしアベンジャーズ1作目までは本当に面白かったと思う。それだけに、集大成である今作がこんなことになってしまいショックでもある。(アベンジャーズシリーズは1作目から段々とつまらなくなっていったように感じる)

 

もしも他のMCU作品を見ていれば後述するモヤモヤポイントを理解できるのであれば是非ご教示願いたい。

アベンジャーズ・エンド・ゲームを絶賛している人たちが、僕が「はぁ?」と感じた場面にどのように折り合いを付けて絶賛しているのかが気になって仕方がないのだ。

 

で、本題。僕がエンド・ゲームを見る中で、「はぁ?そりゃあないだろ」と思いド白けたモヤモヤポイントがたくさんあるので列挙する。

 

 

・IWの終盤、エンド・ゲームの序盤で散々絶体絶命かのように描写されたトニーがキャプテン・マーベルの登場で秒で助かる

 これまでの悲壮感は何だったの?トニーが馬鹿みたいじゃないか。キャプテン・マーベルはどうやってトニーの居場所を突き止めたんだよ。なんでギリギリまで助けに来なかったの?

 

・隠居して平穏に暮らしているサノスに不意打ちを食らわせ四肢を拘束し、最低限の情報を吐かせたら首を跳ねるヒーロー集団

 それがヒーローのすることか?正面から戦って勝てないから集団で不意打ちして首を跳ねるって、悪役でもしないよ。あとサノスの硬さガバガバすぎないか?そんなにあっさり殺せるなら前作までに何回も死んでるだろ。

 

・いきなり5年後になる

 上映中には?って声出そうになった。

 

・家族の消失で闇堕ちしてパチモンの日本でニンジャスレイヤーみたいなことしてるホークアイ

 この下り、要る?ていうか闇堕ちするまでの間に誰か連絡取って集まったりしなかったのか?ブラック・ウィドウの説得で一瞬で改心するのも取って付けたような印象を受ける。

 

・ソーが引きこもりデブになっていてフォートナイトで煽られてぶちギレる

 こんな姿見たくなかった。小学生かよ。しかも結局ずっとデブのままだし。ソーを格好悪くすることに何の意味があったの?

 

・サノスの指パッチンを帳消しにするために過去に戻ってストーンを盗む

 スーパーヒーローが勢揃いでやることは結局こそ泥なのか…。なんかさあ、セコくないか…?情けなくない…?

 

・過去でソウルストーンを入手するためにホークアイとブラック・ウィドウがダチョウ倶楽部みたいなことして結局ブラック・ウィドウが投身自殺。その結果手に入るソウルストーン。

 もっと他にやりようなかったのか?しかもこれ「愛している者」が死んだらソウルストーンが手に入るんでしょ?てことはホークアイはブラック・ウィドウを愛してたんでしょ?ホークアイお前、さっき妻子が死んで絶望・闇堕ちしてなかったか?同時に愛してたのか?家族が死んでから5年経ってるからブラック・ウィドウ愛しててもセーフってか?僕はホークアイがわからんよ。

 

・過去に戻ってまでウジウジして逃げ出そうとするソー

 ヒーローってなんだ?ソーってこんなクソムカつくナード野郎だったのか?必死に励ましてくれるロケットを無視して逃げようとするのには普通に引いた。

 

・過去の世界からナチュラルにムジョルニアをパクって現代へ帰還するソー

 お前は倫理観ってもんがないのか?過去でムジョルニア無くなったソーはどうしてんだよ。どこまで株を落とせば気が済むんだ。

 

・過去の自分とうっかりリンクしてしまい過去のサノスに全てを悟られるネビュラ

 それさあ、事前に予想つかんか?

 

・サノスを裏切ろうと考えてたはずなのに、サノスの野望を砕く千載一遇のチャンスを棒に振って過去サノスが現代に攻め込む手引きをする過去ネビュラ

 過去と現在でやってること違いすぎるでしょ。あなたはサノスに謀反を企ててたんじゃないの?自分だけが現代に来た時点で過去にいるサノスは過去ネビュラに危害を加えようがないんだから、後は何もせずにトンズラするだけでサノスの野望を挫けたのに何故わざわざサノスの現代侵攻の手引きをしてるの?何がしたいの?

 

・タイムスリップする前に誰かが「タイム・パラドックス起こさないように過去の自分には会わないようにして…」云々言ってたのに、過去の自分が話を聞かないことにぶちギレて普通に銃殺するネビュラ

 ギャグのつもりか?だとしたらスベってるぞ。これは本当に意味不明でシラけすぎて真顔になった。しかもネビュラが過去の自分を殺すストーリー的な必然性は全く無いじゃん。単純に衝動的にキレてフーフー言いながら銃撃っただけじゃん。古畑任三郎の導入シーンか?

 

・ネビュラが過去の自分を殺しても特に何も起こらない

 で、タイム・パラドックスがどうこう言ってたのに過去の自分を殺しても何も問題が起きない。おちょくってるのか?この作品の中では時間の概念がどうなってるんだ?

 

・都合9年前のサノスと現代で再戦するも、一対多でも相変わらず全く歯が立たないヒーロー達

 ずっと好きだったヒーロー達の情けない姿ばかりを見せられる。なんか派手なCGでどたばたしてるけど結局サノスには歯が立たない。ビームを打とうが雷を落とそうが生身でストーン無しのサノスに全然敵わない。ヒーロー達が殴られて吹っ飛ばされてるだけ。これ何の時間?

 

・大軍対大軍になって何してるのかよくわからない

 色々な作品のキャラクターに見せ場を作らなければいけないのは理解できるが、ストーリー的に意味がない場面に長々と尺が取られていて退屈。しかも後述の通り勝敗には何の影響もない戦闘。

 

・大軍対大軍になっても結局やることはガントレットを巡ってのアメフトみたいな鬼ごっこ

 結局一人ひとりのキャラクターの戦闘には意味がなくて、一発逆転の威力があるガントレットを鬼ごっこで奪い合う。これIWでもやってなかった?別にハラハラもしないし単純につまらない。

 

 ・その裏で波を止めるのに一杯一杯になっているドクター・ストレンジ

 この場面に何の意味があるの?これを観てどんな感情を抱くのが意図されてるの?ドクター・ストレンジも戦わせるなり海水を敵に流して攻撃するなりしたらいいじゃないか。なんで最大の見せ場のシーンでそんな陰湿なイジメみたいな仕打ちを受けてるの?

 

・唐突にスーツを着て戦闘してるポッツ

 もう「はぁ、そうっすか」としか思わなかった。勝手にしてくれ。ただ貴方がかっこよく戦ってる裏で波を堰き止めてるドクター・ストレンジのことを忘れないでやってくれ。

 

・結局ガントレットを奪ったトニーの指パッチンでサノス・サノス軍を大量虐殺して勝利

 もうあんたがそれでいいならそれでいいよ。ただヒーロー達の特殊能力って何のためにあったんだろうって。結局ストーンを使ったもん勝ちってのは本当にシラける。究極的には「自分と考えが違う連中は殺して終了」ってサノスとやってること変わらないし。あんだけ派手にドンパチやってスケール広げまくったのに指パッチン一発で敵が全滅って。はーあ。シラける。

 

 ・サノスは後遺症無し、ハルクは片手がギプスになるだけだったのにガントレット使用の反動でトニーが死亡

 あんなに格好良かったトニー・スタークの死因が「ガントレットを使った反動」って。そりゃないだろ。もうちょっと何かあるだろ。使ったら絶対に死ぬ呪いのアイテムとかならまだしも、敵も味方もトニー以外は複数回使ってもピンピンしてるんだぞ。納得行くか?トニーが死ぬ事自体は別にストーリーとして納得できるよ?ただこの死に方はひどいよ。あまりにも雑だよ。取ってつけたように死ぬから感動も何もありゃしないよ。はぁ?としか思わなかったよ。

 

・盛大に葬儀が行われるトニーに対してほぼ触れられないブラック・ウィドウの死

 あまりにも扱いが違いすぎてびっくりした。ていうかブラック・ウィドウは無理にしても何でトニーはストーンの力で生き返らせられないんだよ。全宇宙の全生命の半分を指パッチン一発で殺したり生き返らせたり出来るのにトニー・スターク一人は生き返らせられないストーンって何なんだよ。

 

・なんか生き返った風になってるガモーラ

 前作でサノスに殺されて、今作で過去から現代に来たガモーラ。なんかクイルは生き返ったわ~みたいになってるけど、そこにいるのは過去のガモーラで、クイルとの思い出をもつガモーラは死んだままなんだぞ?それでいいのか?ガワが同じなら記憶なんてどうでもいいってか。そしてこれまたガモーラがいなくなった過去はどうなってんだよ。

 

・ストーンを元の時代に返す道中、「自分の人生を生きるのも悪くないかなって思って…」とノリで独断でヒーローを辞めるキャプテン・アメリカ

 まずストーンをどうやってそれぞれの時代・場所に返したんだよっていう疑問があるし、何も言わずにノリでヒーローを辞めておじいちゃんになってから再登場するっていうのは流石にどうかと思う。行動原理がまるで理解出来ない。ていうか過去に戻ってから現代まで生きてたなら今作のドタバタの最中にサノスが現代に攻めてくることとかトニーが死ぬこととか全部知った上で無視を決め込んでたおじいちゃんキャップがいたんだよな。人でなしすぎない?やっぱりトニーが嫌いだったのか?

 

・サノスが憂いていた全宇宙の均衡の問題に何も解決策を出さないままサノスをぶっ殺してハッピーエンド感を出す

 「これがアメリカか…」と思った。サノスには大義があった。愛する娘をその手にかけてまでも実現すべしと誓った大義が。アベンジャーズには無い大義が。めちゃくちゃな能力を持った化物みたいなスーパーヒーローの集団にほとんどの場面で単身で立ち向かいながらとうとう成し遂げた大義が。ヒーロー達はその大義を打ち砕いた。それはいい。が、サノスが苦心していた問題に対して何も解決策を出していない。出そうともしていない。ただ、やられたからやり返しているだけ。アベンジャーズ。復讐しかできない集団。それでいいのか?根本的な解決は何もしちゃいないのにハッピーエンドです!って空気出されてもいやいや…ってなるよ。

 

 

書き始めたら大分出てきたが、ざっと思いつくだけでもこれだけのツッコミどころ、モヤモヤしたポイントがあり、とてもじゃないがこの映画を面白かったと評価することは僕にはできない。

細かいことはいいんだよ!型の映画もあるし僕自身そういう映画は大好物だが、終始シリアスな雰囲気で真面目にやってるのにこれだけツッコミどころがあると流石に真顔で閉口するしかない。

何より、細かいことはいいんだよ!と思わせる程の爽快感やスピード感、カタルシスその他諸々情動を惹起するようなファクターがエンドゲームからはほとんど感じられなかった。

唯一トニーがI am Ironmanというシーンは本当に格好良かった。3時間の中でただ1シーン、ヒーローを格好良いと思った瞬間だった。

 

あ~あ、痺れる程格好良いアイアンマンがまた見たいなあ。

 

 

 

それにしても、ネットで検索してもこの映画をつまらないと言っているレビューが全然出てこない。信じられない。絶賛したい人だけがレビューを書く生存バイアスみたいなものはあるんだろうけどそれにしても不思議。マーベルが金出して検閲とかしてるのか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*1:筆者視聴済み作品:アイアンマン1~3、アベンジャーズAoU、IW、シビル・ウォー

キンプリは「神に誇ってもよいほどの傑作」だという話(前)

 

僕はジムノペディというピアノ曲がとても好きだ。

 

もともと有名な曲であるし、賢明なオタク諸氏におかれては劇場版涼宮ハルヒの消失やPCゲーム魔法使いの夜で使用されていたこともあり、どこかで耳にしたことがあるのではないだろうか。

 

いい曲なのである。

 

で、この名曲に対して伊福部昭という方が送った賛辞にこういうものがある。

 

「人類が生みえたことを神に誇ってもよいほどの傑作」

 

不肖の身ながら、僕はこの言葉をKING OF PRISM-Shiny Seven Stars-をはじめとするキンプリシリーズに贈りたい。

 

 

自分はシリーズ未視聴の状態で劇場応援上映キンプラKING OF PRISM-PRIDE the HERO-)を観てすっげえ!クッソ面白え!となり、その翌週には4DX上映に繰り出す程度にはキンプリにハマっており、SSS各話も最速上映、応援上映の初回でそれぞれ2回ずつは視聴した。

 

だが、(今にして思えば後悔しかないのだが)キンプリの前シリーズであるプリティーリズム・レインボーライブはSSS3章の1回目を見るまではついぞ視聴しなかった。

 

この時点までは僕の中でキンプリ=「荒唐無稽なことがバンバン連発で起きてめちゃくちゃ笑える、なんかちょっと熱いアニメ」に過ぎなかった。

 

が、SSS3章を一緒に観た友人が言った。

 

プリティーリズム・レインボーライブを観ていれば、3章はめちゃくちゃ泣ける」と。

 

キンプリが泣ける?何を言っているんだこいつは?

このアニメはギャグテイストの時のテニプリみたいなハチャメチャと謎の熱さを爆笑しながら見るもんだろうと。

 

まあ物は試しだ。前々から興味はあったし観てみるか…。しかしネット配信とかどこでしてるのかな…?と思ったら公式チャンネルがyoutubeで無料公開してくれているではないか。

いい時代になったもんだね…と思いながらレインボーライブ全51話を1週間で視聴(SSS3章最速上映の翌週に応援上映を予定していたため)。

 

で、観た結果。

 

まずそもそもレインボーライブが面白すぎるわ。

 

プリズムショーとプリズムジャンプという、ともすれば荒唐無稽で極度に児童向けになってしまいかねない主題を一本の大きく太い柱として、少年少女たち同士の関係性の変化、子供と親の関係性の変化、そして彼ら彼女ら自身が自分を見つめ直すことによる成長を丁寧に繊細に、そして大胆に描ききっている…。

べる様の成長と終盤のわかなのチャレンジを観て感動しない人はいないんじゃないの???

 

レインボーライブへの言及はそこそこにしておいて、レインボーライブを鑑賞した上でSSS3章を再度観に行った結果。

 

 

 

ユウ君「プリズムラアアアイブ!!」

ぼく「ウワアアアアアアアアアアアア!!!」

 

号泣である。

 

レインボーライブ劇中で不運な生活を乗り越え、姉であるいとちゃんやべる様に憧れてプリズムスタァとなったユウ君。

エーデルローズの一員として活動する中で、ヒロ様にとってのオーバー・ザ・レインボー、いとちゃんにとってのハッピーレイン、べる様にとってのベルローズのような同年代の仲間が自分にはいないんじゃないかと悲嘆に暮れるユウ君。

そのユウ君に寄り添い、お互いが真の仲間であることを静かに示したシン君たちエーデルローズ組。

その喜び、心の煌めきを歌と歌詞に込め、プリズムワンの舞台で披露するユウ君。

 

そこで満を持して繰り出されるプリズムライブ!

レインボーライブでの超重要ファクターでありながら、キンプリシリーズでは誰もやっていなかったプリズムライブ!

べる様ですら成し得なかった、ペアとも無しでのプリズムライブ!

他のどのキャラクターでもなく、涼野ユウが繰り出すプリズムライブ!!

 

しかもギター→ドラム→キーボードと、ハッピーレインメンバーのプリズムライブを全て踏襲していく!

そしてこれまたシリーズの重要ファクターであるフェザーを背中に生やしたユウ君は、ハッピーレインのいる空、オーバー・ザ・レインボーのいるパラダイス、ベルローズがいる宣誓の峻嶺を超え、エーデルローズの6人と共に夜空に燦然と輝く星座になる!

 

 

ああ…

イロモノとしてしか観ていなかったキンプリが、レインボーライブを観たあとではとてつもなく巨大で爽やかな感動とともに僕の感情に押し迫ってくる…

 

最高of最高かよ…。

 

語彙が消失するレベルで最高…。

声を失って滂沱の涙を流したよ…。

 

 レインボーライブ未視聴のときには分からなかった、感じなかった大きな感動に全身が包まれ、上映終了と同時に全力で拍手をしていた。

もちろん、他の観客も僕と同様に拍手をしている。

 

この光景が傍から見たら異様なのはわかっている。いい年した連中が涙やら鼻水やら垂れ流しながらアニメを観て割れんばかりの喝采を送っているのだ。

それでも思った。

ここはなんと素晴らしい場所なんだと。今はなんと幸福な時間なんだと。

 

僕たちの人生をこんなにも豊かにしてくれるキンプリという作品はなんと煌めきに満ち満ちているのかと。

この作品は人類の1つの到達点ではないのか、と。

 

改めて言おう。

 

キンプリは「人類が生みえたことを神に誇ってもよいほどの傑作」であると。

 

 

4章を観た感想も書こうと思ったのにもう2000字以上書いてしまった。キンプリの素晴らしさは本当に語り尽くすことができない。そちらは別途。